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生活習慣病にならないためにⅠ

 病気の起こる仕組みには、遺伝の要因、外部環境の影響、そして生活習慣という三つの要素がかかわつています。ところで、おなじみの「成人病」という言葉は、昭和30年代から、厚生省が成人の三大死因である、がん、心臓病、脳血管障害を防ぐうえで、早期発見を目指した検診を盛んにするなどを主眼として用いられてきたものです。
 しかし、これらの背後にあるものは、若い時からの食生活、運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣です。そこで、高齢社会を迎えるなかで病気の二次予防よりも健康生活を重視した一次予防対策、すなわち自らの健康は自ら守るという姿勢を強調していく上で、厚生省は成人病に代わる用語として「生活習慣病」を提唱しています。
☆ 生涯にわたる健康体重の維持
 生活習慣のうち、食生活にかかわる疾患は、糖尿病、肥満、高脂血症、高尿酸血症、動脈硬化による心臓や脳の血管障害、大腸がん、歯周病などです。運動習慣との関係では、糖尿病、肥満、高脂血症に加えて高血圧症が、また喫煙については肺がん、飲酒についてはアルコール性肝炎ほかが挙げられています。
肥満 ここで注目すべきは、食習慣や運動習慣にかかわる疾患の大部分が、肥満との関係が密接だということです。肥満の判定は、体重地÷身長m÷身長mで算出される体格指数(BodyMass Index.BMl)によりますが、その標準値は22です。健康体重と目されるBMIは22±2の範囲です。
 生活習慣病予防のためには、生涯にわたってBMI22±2の範囲の維持が望まれますが、目安としては20代前半の体重の一割増し以内を維持することを勧めます。
☆ 口で食べずに頭で食べる
 健康体重を維持し、生活習慣病にかからないようにするためのポイントは、何といっても食生活にあります。朝食を含め一日三回食を実行し、毎食、穀類+一汁三菜で、一目30種類以上の食品摂取を心掛けます。過食 加えて、牛乳またはヨーグルトなどの乳製品と一定量のくだものをかかさないようにします。飲酒はしないか、しても少量にすること、甘味飲料を含めむやみに間食をしないことなど、当然毎日の食生活は「口で食べずに頭でよく考えて腹七、八分目に食べる」ことです。
☆ 二本の足は二人の医者
 健康体重を維持して生活習慣病を予防するためには、以上の食生活への配慮に加えて、運動のある生活が欠かせません。現代社会の特徴は、二本の足を使う機会の少ないことにあります。特に、車が足代わりという生活をしていると、一日の歩行数が4,000歩にも満たなくなり、生体にとって重要な機能を有する筋肉組織が、下半身を中心に脆弱化してきます。このような状態では血液循環が滞り、糖利用も低下し、血糖、血圧、コレステロールなどに異常が生じやすくなります。運動生活習慣病予防のためには、少なくとも一日7,000歩以上の歩行を習慣化し、体操や筋肉トレーニングを採り入れ、大小500を数える全身の筋肉組織を活性化する必要があります。歩行を中心に、一日一時間程度の運動の励行は、生活習慣病の予防にも、また治療にも役立つという点で、「二本の足は二人の医者」(予防医と治療医)と説かれます。

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