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病気Ⅱ・骨粗鬆症を予防する

骨折骨粗鬆症ってどんな病気?
 骨は、カルシウムやたんばく質などの成分によって構成されています。「骨粗鬆症」とは、簡単にいえば、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気で、骨の組織の密度が低下し、ス (鬆) が入ったように骨がスカスカになつた状態をいいます。
 食事や運動などの生活習慣を改善することによって、防ぐことができるので、できることから気長に続けていきましょう。

骨は新陳代謝を繰り返す
 体の成長が止り、骨は長さも太さも一定になります。しかし、骨は常に「破壊」と「再生」(骨吸収と骨形成)の新陳代謝が繰り返されています。
 破壊される骨と再生する骨のバランスがとれていれば、骨量(骨を構成するミネラルの量) は変わりません。しかし、破壊される骨の量が増えたり、再生する骨の量が少なかったりすると、骨量は減っていき、骨の代謝のバランスが乱れ、骨租鬆症を引き起こします。

骨を強くしよう 内的因子と外的因子
 骨租鬆症の要因は、内的因子と外的因子に大別されます。
◆内的因子
 自分自身では、コントロールが困難なもので、体内に原因があります。
ホルモン因子
 骨租鬆症は女性に多く、男性の約4~5倍の割合で発症します。その理由の一つは、骨の新陳代謝に深く関係する女性ホルモンの分泌が、閉経を機に急減するため、骨量も急激に減少します。
加齢因子

 年齢とともに骨量は徐々に減少していきます。それだけではなく、年をとると腸管からのカルシウム吸収率も低下するため、体内に吸収されるカルシウムの量が少なくなり、骨量の減少を促進します。
遺伝因子
痩せている人や小柄な人は、骨粗鬆症になりやすいので、そのような体格や体質が遺伝します。
◆外的因子
 本人の努力や工夫によってコントロールできるもので、日常生活のなかに原因があります。
生活習慣
 過度の飲酒や喫煙は、腸管の働きを弱め、カルシウムの吸収率を低下させます。また、日光に当たる機会が少ないと、骨の形成を阻害する要因となります。
栄養因子
骨の形成に必要な栄養素(カルシウムなど)を、十分に接取しない状態が続くと、骨量は減少します。
運動因子
運動などで骨に刺激を与えないとカルシウムが骨に蓄積しないので、カルシウムの摂取量を増やしても、骨量は減少します。

骨粗鬆症の予防対策
1、食 事
 人間の骨量は20~30歳前後に骨量のピークを迎え、40歳を過ぎるころから、加齢に伴って、徐々に低下し始めます。
 骨租鬆症の発症年齢で最も多いのは、60歳前後から70歳で、まず若いうちに自分の最大骨量を増やしておくことが大切です。最大骨量が多ければ、加齢によって骨量が減り始めても、骨租鬆症の発症時期を遅らせることができます。
 骨を丈夫に保つには、まず、骨をつくるための栄養素を、食事でしっかり摂取することが大切なのです。
● カルシウムを十分に摂る
 1日にカルシウムを600~800mg摂取することが望ましいといわれています。魚介類や野菜、大豆製品なども大切なカルシウム源ですが、なかでも乳製品を積極的にとるように心がけてください。
 食事で摂取したカルシウムのすべてが吸収されるわけではなく、加齢に伴いカルシウムの吸収率は低くなっていきますが、乳製品は腸管からの吸収率が最もよいカルシウムを含んでいて、効率的にカルシウムを吸収することができます。
 ただし、過剰なカルシウムの朽取は、腎臓結石などの障害を誘発するので、1日に2000mgを超えるカルシウム摂取は控えてください。
● カルシウムの吸収を高めるビタミンD
 ビタミンDは、腸管でカルシウムの吸収率を高める働きがあります。ビタミンDは魚介類やしいたけなどに多く含まれ、日光に当たることによって、体内で合成することもできます。(ビタミンDの合成を促すために、特に日光浴をする必要はありません) 家に閉じこもったりせず、普通に生活をして、朝夕に軽く散歩する程度でよいでしょう。
● マグネシウムも大切な栄養素
 マグネシウムはゴマや昆布などに多く含まれ、カルシウムと同様に骨に蓄えられるミネラルです。
● インスタント食品などの過剰摂取に注意
 インスタント食品や清涼飲料水には、カルシウムの吸収を阻害する「リン」が含まれているので、過剰な摂取に注意してください。
● ダイエットをするには注意が必要
 女性の場合、ダイエットを無理に行って体脂肪率が低くなり過ぎると、女性ホルモンの代謝が障害されます。そのため、骨の新陳代謝にも悪影響が出るので、ダイエットをする際には注意が必要です。

体操 2、運 動
 日頃からあまり運動をせず、骨に負荷を与えていないと、骨は弱くなっていきます。運動は骨の形成を促すだけでなく、筋力や体の柔軟性、バランス感覚も養うので、転倒による骨折を予防するためにも大切なことです。
● 一日30分は散歩する
 散歩は体への負担が少なく、日ざしも弱く涼しい朝夕などに、30分程度歩くとよいでしょう。また、脚を強化することは転倒予防にもつながります。
● 腹筋と背筋を強くする
 腹筋と背筋は、背骨を守る重要な役割をしています。骨粗鬆症によって背骨が曲がったり、背骨を傷めたりしないためにも、腹筋と背筋を強くすることが大切です。
 しかし、過度の運動は逆に筋肉を傷めるので、手軽にできて腰にも負担がかからない運動をしましょう。 毎日行う習慣をつけるとよいでしょう。
腹筋と背筋を強くする運動
運動1  あおむけで、両膝を両手で抱えて、ゆっくりと胸に押し付けます。5秒数えて、ゆっくりと足を伸ばします。
運動2  あおむけで、片膝を両手で抱えて、ゆっくりと胸に押し付けます。5秒数えて、ゆっくりと足を伸ばします。もう片方の足も同じように繰り返します。
運動3
 あおむけで、両膝を立て、背中を床に押し付けながら、5秒数えて、元に戻します。
運動4  あおむけで、片膝を立てます。もう一方の足を少し持ち上げ、5秒数えてゆっくりと下ろします。足を替えて同じように繰り返します。
運動5 運動6 椅子に座り、背筋を伸ばして、ゆっくり息を吸いながら両ひじを後ろに引きます。胸を広げて息を止め5秒数えて、息を吐きながら元に戻します。  璧に背を合わせて立ちます。かかとから後頭部までを璧に押し付け、5秒数えて、元に戻します。
   自分のベースでやってみましょう。
 無理せずに、自分でできる運動から始めて、なれてきたら、それぞれの運動を10回ずつ繰り返しましょう。
喫煙
3、生活習慣と定期検診
● たばこやお酒などをとり過ぎない
 たばこ、お酒、コーヒーなどは、腸管からのカルシウムの吸収を阻害します。せっかく食事でたくさんのカルシウムを摂っても、吸収されなければ、意味がありません。
 ですから、とり過ぎないように注意が必要です。特に、小柄な人ややせている人などは、過度の飲酒や喫煙は控えるよう、心がけましょう。
●1年に1回は骨量の検診をして早期発見
コーヒー 骨租鬆症の早期発見のためにも検診を積極的に受診して、自分の骨量がどのくらいあるのか、確認するようにしましょう。
 検診した結果「注意が必要です」と言われた人は、食事、運動、喫煙、アルコールなどの生活習慣を改善するとともに、1年に1回は骨量の測定をし、どれぐらい減少しているかを注意深く見守ることが必要です。

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