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こんな人はぜひ心臓ドックの受診を

年に一度は身体のオーバーホールを!

 ここでは、まず心筋梗塞を起こした二人の実例を紹介しましょう。
 会社重役のBさん(54歳)は、人間ドックで早期胃がんが発見され、胃切除手術をしました。退院から一ケ月後、全快祝いのゴルフコンペに出場し楽しいプレーの進行中に、17ホールで気分が悪くなり、胸内苦悶感のため倒れてしまいました。ゴルフ場近くの救急病院に運ばれ、急性心筋梗寒であることが判明しました。
 

心臓ドックの適応者とは

 Bさんの過去の病歴を調べたところ、今までに狭心症の発作は一度もなく、負荷心電図検査でも陰性(異常なし)であったのです。ところが、虚血性心臓病は、ストレスなどをきっかけに急速に進行することがあるのです。
 一方、大教授のTさん(45歳)は、春期休暇を利用して講演旅行に出かけました。毎夜の接待を断ることもできず、いつになく疲労感を覚えてホテルに戻り、シャワーを浴びたとたんに胸の中央に焼けるような感じの痛みが襲ってきたのです。このまま死ぬのではないかとの不安にかられ119番、救急車で病院に運ばれ、急性心筋梗塞と診断されました。旅先で危篤状態となったのですぐ家族も呼ばれました。幸にも専門医の知遇を得、迅速な処置で彼を救うことができたのです。彼が目覚めたのは心臓カテーテル室のX線テーブルの上で、PTCR療法により冠動脈に詰まった血栓が溶解し、心筋への血流が再開通した時だったのです。
 この二人は、いずれもふだんは何の自覚症状もなく、自分が心筋梗塞になるとは夢にも思わなかったことでしょう。しかし、注意深く分析してゐると、次に述べる「心臓ドックをお勧めしたい人」のいずれかの項目に該当します。
 次に紹介するのは、心臓ドックを受けることにより、その恩恵を受けることのできる人々のチェック・リストです。
 

① 虚血性心疾患の危険因子を持っている人。

 すなわち総コレステロールや中性脂肪の高い人、またはHDLコレステロールの低い人。た高血圧を有する人。糖尿病を有する人。肥満の人。喫煙している人。尿酸値の高い人。ストレスが長期に続いている人。心臓病や脳卒中などにかかった家族が身内にいる人。

② タイプA型行動パターンの人。

 仕事熱心で、几帳面、他人には負けず嫌いの性格の人。いつも時間に追われるように仕事をしている人。

③ 何らかの呼吸、循環器系の症状を有する人。

 胸に圧迫感がある人。運動や興奮した時に胸部不快感を覚える人。夜間に胸内苦悶で眠が醒める人。脈が乱れる人。心臓の動悸が激しい人。めまいや失神発作を経験した人、歩行時などに息切れがする人。昼は尿量が少ないのに夜になると尿量が増加する人。足にむくみのある人。

④ 健診で異常を指摘された人。

 健康診断などで、心臓の雑音を指摘された人。心肥大を有する人。不整脈や心電図異常を認められた人。

⑤ 心臓病を有する人。

 心臓病を有する人でも、その程度や進行状態が問題です。定期的にチェックを。
    H15.3

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