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心臓病は意外に身近な病気

 では心臓病を原因別にみてみることにしましょう。まず、項目別に列記してみましょう。
① 遺伝的疾患・先天性心疾患
家族性高脂血症、肥大型心筋症、QT延長症候群、WPW症候群、マルファン症候群、解離性大動脈癌、憎帽弁逸脱症候群、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、動脈管開存症、大動脈弁狭窄症、肺動脈弁狭窄症、フアロー四徴症、心膜欠損症など。
② 自己免疫疾患・膠原病
高安病(大動脈炎症候群)、川崎病、リウマチ性心臓弁膜症、結節性動脈炎など。
③ 代謝性・栄養障害性疾患
甲状腺磯能交亢進症・甲状腺機能低下症・糖原病、貧血、脚気、糖尿病、高尿酸血症、高脂血症など。
④ 感染性疾患
ウイルス性心筋炎、心膜炎、収縮性心膜炎、感染性心内膜炎、梅毒性弁膜症、感染性病巣による不整脈など。
⑤ 動脈硬化性疾患
冠状動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞とその合併症、胸部大動脈癌、心筋虚血による不整脈、バージャー病など。
⑥ 肉芽腫性疾患・腫瘍・その他
心サルコイドーシス、アミロイド、心腔内粘液腫など。
⑦ 機能性心疾患
異常狭心痘、心臓神経症、起立性調節障害、過換気症候群、スポーツ心など。
⑧ 原因が明らかでない心疾患
突発性心筋症、種々の不整脈など。
 心臓の構造上からみても、病因論からみても、心臓ドツグがいかに多くの病気を網羅しているかがおわかりいただけると思います。
 理解しやすいように整理してみますと、心臓ドツグでわかるのは次の「四大心臓病」に包括されます。
 第一は、不整脈です。
  これには、上室性および心室性不整脈に加え、刺激伝導障害を含みます。
 第二は、虚血性心疾患です。
  労作性狭心痘、異型狭心症、心筋梗塞、無痛性心筋虚血が代表例です。
 第三は、心筋肥大、突発性心筋症などです。
  高血圧症による二次的心肥大もこの中に入ります。
 第四は、心臓弁膜症です。
  僧帽弁疾患、大動沢弁疾患、連合弁膜症、がよく経験する疾患です。
 このように分類してみると、心臓病は意外に身近な病気であることにお気づきでしょう。ごく普通の人々が心臓病に冒される危険が高いといえます。
 ここで心臓ドツグ受診例中の特異なケースをご紹介します。心臓ドツグでは、こんなこともわかるという一例です。
 65歳になったK氏は、メニューどおりの検査を終えて、最後の総合評価のところで、唖然としたのです。右の中肺野に淡い小円形陰影をみたからです。K氏は抹消型肺がんだったのです。幸い心臓には何の所見もなく、撫事に肺の手術をおえ退院したことをお伝えしましょう。

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