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レセプトやカルテの開示は?

先生

透明性高めるレセプト情報の開示

 レセプトやカルテの情報の開示を求める声は高まりつつあります。医療政策の抜本的改革の過程で、与党医療制度改革協議会の「21世紀の国民医療」(1997年8月)においても、「患者と医師、歯科医師との信頼関係を深めるため、プライバシーに配慮しながら患者に対してカルテやレセプトの情報の開示を推進する」とされています。
看護師 このような流れのなかで、すでに97年6月より、被保険者から保険者への開示請求に対してレセプトを開示することになつています。
 開示にあたって、いくつかの確認条件が定められているものの、レセプトの透明性は十分に高められたといえます。なお、レセプトとは、診療報酬明細書の通称で、医師が行った診療(診断と治療)や検査の内容、処方された薬についてカルテ(診療録の通称)に記載されたものを診療報酬点数表に基づいて点数化転記された請求書類のことをいいます。

進められているカルテの開示

 厚生省の「21世紀の医療保険制度(97年8月)」では、「医療の現場において、医療従事者による適切な説明と患者の理解に基づく医療の定着を図るとともに、カルテの情報を患者に提供する」とされており、カルテ情報の開示は急速に進められています。厚生省の「カルテ等の診療情報の活用に関する検討会」において、98年6月、カルテや看護記録、処方せんなどの診療記録は、開示するとする報告書がまとめられました。カルテには、患者の診断・治療の経過など、健康情報のすべてが記載されています。

遺伝子診断・治療で医療はどう変わるか

医者2 病気の原因遺伝子の研究は、現在ハンチントン舞踏病などひとつの遺伝子異常から起こる単一遺伝子病から、高血圧や糖尿病、がんなど、よりポピュラーな病気の研究へと進んでいます。
 これらの病気は多因子病と呼ばれ、遺伝的な素因と食生活やライフスタイルなどの環境が、複雑に絡んで病気の発症につながります。将来的には、遺伝子診断によって、こうした遺伝的素因をあらかじめ診断し、その発症予防を行うことも可能と見られています。
 また、オーダーメード医療の実現も遺伝子診断の目的のひとつです。例えば、抗がん剤など薬の効き方や副作用にも個人差があり、これを遺伝子のタイプから診断し、それぞれの患者に、最適な治療を選択しようとするものです。

 多様化する遺伝子治療

 一方、遺伝子治療は、これまでがんや単一遺伝子病を中心に行われてきましたが、残念ながら期待されたほどの効果は上げていません。
 最近では遺伝子の持つ働きに注目し、血管を作る遺伝子を注入して、心筋梗塞の患者に新しい血管を作ったり、逆に血管新生を阻害する遺伝子を注入して、がんの増殖を防ぐ研究などが行われています。
 こうした研究から従来とは全く働き方の違う、抗がん剤なども開発されています。遺伝子カプセル 遺伝子治療は、遺伝子の異常を修復して、病気の予防や治療を行うことが目的と考えられていました。
 しかし、現状ではまず各種治療法のひとつとして、あるいはほかの治療法と組み合わせる形で、治療に応用されていくと見られます。

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