トップページ

心電図の基本的なみかた|読み方

Q、心電図の基本的なみかたを教えてください。
心電図

1=P波の幅,
2=PRセグメント,
3=QRS間隔,
4=STセグメント,
5=PQ間隔,
6=QT間隔,
7=PP間隔,
8=RR間隔,
J=J点

A、心電図は、心臓の電気的興奮を記録したもので、心電図の一サイクルは心臓の一拍動に相当します。心電図の一サイクルは心臓の一拍動に相当します。心電図の波形のそれぞれの山や谷は、P、Q、R、S、TおよびU波と名づけられています。
 P波は心房の興奮を表し、QRSは心室の興奮を示しています。T波は心室が興奮からさめる様子を表現しています。一方、U波の成因はまだ明らかにされていませんが、乳頭筋の興奮によるものとする説や、心室筋活動電流の後電位とする考え方があります。
 臨床上問題となるのは、心電図上の各波の大きさだけでなく、PR間隔やSTセグメントといわれる部分です。PR間隔は、P波の初めからQRS波の初めまでの時間で、正常値は0.12~0.20秒です。PR間隔は洞房結節に起こつた興奮が房室結節・ヒス束・プルキンジ系を通過するのに要する時間で、房宣伝導時間といいます。PR間隔が正常値を超えて長くなる場合、これを第一度房室ブロックと呼びます。
 STセグメントは、QRS波の終りよりT波の初めまでの直線、またはゆるやかな曲線をなす部分をさします。またQRSとSTの境となるところはJ点と呼ばれています。心筋の障害がSTセグメントを変化させる原因となり、一般に心筋梗塞発症直後ではSTセグメントが上昇し、労作時狭心症のような虚血が起こるとSTセグメントは低下します。
 QRS間隔はQRS波の初めから終りまでの時間で、心内膜に達した興奮が心筋を興奮させるのに必要な時間です。正常値は0.05~0.10秒ですが、0.12秒を超える場合は完全脚ブロックと診断されます。脚ブロックには、左脚ブロックおよび右脚ブロックがあります。QRS波が分裂する場合には、下に向かう波はQまたはS、上に向かう波はR、′Rなどと呼ばれ、波の高さが小さいときには、小文字で表されます。
 QT間隔は、QRS波の初めからT波の終わりまでの時間で、電気的心室収縮時間ともいいます。QT間隔は心拍数によって変化するので、心拍数で補正した値で評価します。
 PP間隔とRR間隔は通常等しく、心拍のサイクルを表しています。したがって、毎分の心拍数は60をPR間隔(秒)で割ることにより算出できます。

トピックページのご案内

ページの上に 戻る↑