トップページ

子供の食生活と生活習慣病

● 生活習慣病と予防

 従来、成人病と呼ばれていた狭心症、心筋梗塞、がん、脳卒中、糖尿病などは、生活習慣病と呼ばれることになりました。それは、これらの病気の成立や悪化には生活習慣が大きく関与しており、予防には生活習慣の改善が大切であるという考えによるものです。これまで成人病は早期発見、早期治療が大切だといわれてきましたが、最近は予防のほうがもっと大切だと考えられているのです。
子供の食生活 それでは、生活習慣病の予防はいつから始めればよいのでしょうか。実際には子どもの時から気をつけなければならないのです。「三つ子の魂、百まで」といわれるように、子供の時に刷り込まれた生活習慣、特に食べ物の好き嫌いや味の好みなどは、大人になつても続いていることが多いのです。

● 子どもの生活習慣病

子供の生活習慣病  今、子ども達に生活習慣病、あるいは生活習慣病予備軍が増えています。6歳から15歳の小中学生では、肥満児がこの20年間に3、4倍になっています。ただし、ダイエット傾向の強い14、15歳女子のみは減っています。その代わり無理なデイエットによる貧血が増えています。
 子どもの肥満が問題なのは、小中学生の肥満児の大部分が肥満成人になり、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞などに早くから罹りやすくなるためです。最近は幼児の肥満も増えてきました。幼児の肥満は、小中学生の肥満につながりやすいので注意が必要です。また、血液中のコレステロール値が高い子どもも増えています。これも心筋梗塞や脳梗塞の危険因子です。
 このように子どもの生活習慣病予備軍が増えた原因は、食生活の乱れと運動不足が挙げられます。

● 大切な子どもの食生活

子供の食生活  肥満児や高コレステロール児の食生活は、ハンバーグ、カレーライス、スパゲティなど動物性脂肪のとり過ぎや、ケーキ、清涼飲料水など糖分のとり過ぎなど、エネルギー搾取量のオーバーが目立ちます。一方では、野菜嫌いや魚嫌いのため、食物繊維、ビタミン、カルシウムなどの不足が目立ちます。
 近代人のライフスタイルである遅寝遅起きのため、朝食は抜き、あるいは少量しか食べられない代わりに夜食を食べることも太る原因の一つです。
 母親が外で働く機会が増えたため、食事の手抜きが多くなったという説もありますが、専業主婦にも料理嫌いが増えているようです。これらも子どもの生活習慣病を増やしている原因と考えられます。

● 子どもの生活習慣病を防ぐために

 子どもの生活習慣は、その子の一生に関係するといってもよいでしょう。正しい食生活を幼児の時から習慣付けることが大切です。まず何でも食べられる子にすること。それには和食、洋食、中華料理など、何でも作ってあげて雑食にすることが大切で、野菜嫌い、魚嫌いにならないよう気をつけましょう。一日30食品食べることを目標にすることです。そして、よく運動する習慣を付けることが、将来、その子が早い時期に生活習慣病になつてしまうのを防ぐために大切なのです。
 国民生活センター 『くらしの豆知識99』より
トピックページのご案内

ページの上に 戻る↑