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狭心症や心筋梗塞の発作時の手当

Q、狭心症や心筋梗塞の発作時の手当を教えてください。
A、まず、狭心症の発作の場合について説明しましょう。狭心症の発作が起きたときは、安静にするのが第一です。歩いている最中や運動中であれば、椅子にすわるか、しやがみ込むかすればよいのです。運動を中止すれば全身への血液の供給が少なくてすみますし、心臓に対する負担もとれ、冠動脈を通って十分、血液が心筋に供給されると、胸痛も数分以内に自然に消失します。また、精神的安静も忘れてはなりません。

 安静にして数分で胸痛が治まらない場合には、即効性の亜硝酸剤(ニトログリセリン舌下錠やニトロール錠)を使用します。これらの錠剤を口中、または舌下にいれると、1~2分以内に効き目が現れ、胸痛がスーツと消失するはずです。しかし、人によっては一錠ですぐに効果がみられない場合があり、その場合、三分間隔で三、四回口中に入れるとか、いっペんに二錠を口中に入れるという方法もよいわけです。
 以上は救急の場合、自分でとることができる方法です。しかし、発作が起こつたあとは必ず主治医に相談してください。発作が、運動中や歩行中でなく自宅でゆっくりとくつろいでいるときとか、夜間や早朝の就寝中、または日常の何でもない動作によって急に起こつたりすることがあります。これは、労作時狭心症が一歩進んだ不安定狭心症(あるいは切迫心筋梗塞)を起こしているからで、要注意なのです。このような発作を起こしたら、入院して、必ず精密検査を受ける必要があります。

 ところでニトログリセリン錠を使用する際、次の点に注意することが必要です。四六時中携帯するか。または手の届く所におくこと。比較的変質しやすい錠剤であり、湿気、高温、光に弱く。放置すると揮発して効力を失うので遮光、密閉した容器にいれ、なるべく低温で保存すること。衣服のポケットなどに入れる場合は、なるべく体温が直接伝わらないように。舌下に含んで用いること。そのとき多少の刺激があります。刺激のない場合や保存期間が長いときは、新しいニトログリセリン錠を処方してもらいましょう。 
 程度の差こそあれ、副作用として頭痛、顔面紅潮、めまい、動悸などがみられることがあり、中でも頭痛が最も多いのですが、やがて慣れてしまうのでひどくなければ中止する必要はありません。頭痛が強ければ、アスピリンを服用してもかまいません。起立性低血圧を起こしやすい人は、座位か臥位でニトログリセリンを舌下に入れてください。もし、めまいなどが起こつた場合は、横になり下肢を高くするなどの注意が必要です。一方、心筋梗塞の発作は痛みも激烈で、30分以上続き、ニトログリセリンでは寛解しません。その場で安全なところに安静にし、救急車を呼んで専門病院へできるだけ早く行くことです。本人は苦しみ、冷や汗をかくことが多いので側にいる人は驚くばかりですが、気を落ち着け、脈拍をみて、脈の数や不整脈があるかを調べてください。脈がぶれず、意識がもうろうとするようなら、直ちに心臓マッサージをします。

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