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甲状腺がんの早期発見と診断治療法|甲状腺ガン

日本人に非常に多いこの病気、自分でもチェックして早期発見!
 皆さんは「甲状腺ガン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?一般的にガンといえば胃ガンや乳ガンなどが良く耳にするガンですが、甲状腺ガンは日本人に非常に多く見られ、1000人に1人の割合でかかっているといわれています。特に女性には多く、子宮ガン、乳ガン、胃ガンに次いで4番目に多く発見されているほどです。男性では5番目に多いのです。
 これ程発見数が多いのに甲状腺ガンの名があまり知れ渡っていないのは何故でしょう。それは甲状腺ガンは死亡に繋がるケースが比較的少ないためです。だからといって安心することはできません。医師によっては発見できる率に違いがでてきます。放っておくと悪性になる可能性もあるので時には自分でチェックするなど、早期発見のための知識を身につけておきましょう。
集団検診で発見されたガン

甲状腺ガンってどんな病気?
 甲状腺の位置は女性と男性によって少し異なります。女性は首の中央あたりにあり、男性はそれより少し下の首から胸にかけてにあります。甲状腺とは新陳代謝に関わりのあるホルモンを分泌する内分泌腺です。この甲状腺が侵されてできたガンの総称を「甲状腺ガン」と呼びますが、実際にはどのような種類に分かれているか見てみましょう。
●乳頭ガン
●髄様ガン
●悪性リンパ種
●ろ胞ガン
●未分化ガン
 乳頭ガンはこの中で圧倒的に多いのですが、ガン細胞の性質が比較的良性なため死亡につながることは少ないのです。統計では乳頭ガンは20歳代から次第に増し、40~60歳代で最高値となります。ところが、甲状腺ガンは発見しにくいために、20歳代からできていたガン細胞が40歳代になって発見されたという場合もかなりあると言われています。
 「ろ胞ガン」は骨や肺に転移しやすく、数は少ないながらも乳頭ガンより悪性です。その他にも「未分化ガン」は特に死亡率が高く、発病してから約半年や1年で死亡することも多いのです。たとえ予後が良い甲状腺ガンだったとしても、老いていくにつれて未分化ガンに変化していくこともあるので、早期発見、そして適切な治療が大事なのです。
甲状腺はどこにあるの

どんな診断でわかるの?
 甲状腺ガンにかかると、ガン組織の発達に伴ってのどが腫れ、しこりができてきます。素人でもわかるようになる頃にはしこりは3~4cmになっています。専門医であればのどのしこりを触診することで、ある程度の診断ができますが、更に細かい検査になると超音波診断装置を使うことも多いようです。超音波診断装置ではしこりの中の状態を探ることができます。細い針で患部の細胞を吸い取って検査し、ガンの種類まで区別する細胞診という診断法もあります。
 このように現在は診断法が発達しています。しかし、自分の体に変化を感じ医師に相談するのはやはり自分自身なのです。甲状腺ガンのしこりには平べったい貝型タイブと球型タイブの2タイブがあります。そのうち日本人に多く見られるのは貝型タイプなのですが、これは平たいので発見するのが球型より困難です。医師の触診の経験の度合いによって発見率に差が出てくるので、触診で判断するのは危険なのです。
 甲状腺ガンの自覚症状はのどのしこり以外のものが現れることは珍しいのです。だからこそしこりに気付くことは、早期発見のための第一歩というわけです。のどがおかしいと思うとつい内科や耳鼻咽喉科のドアをたたいてしまいがちですが、時には甲状腺ガンを疑って内分泌全般、甲状腺の専門医に診察を受けてみるのはどうでしょうか。そして定期的に自分でチェックしてみることもお勧めします。
自分でチェックしよう甲状腺ガン
◆指で触ったりツパを飲み込んだりして、喉にしこりができてないかを確かめましょう。
◆しこりがあったとしても、それが悪性のガンである場合は5人に1人くらいの割合なので心配しすぎないようにしましょう。
◆気になるのならば内分泌外科や内分泌内科の医師の診察を受けると良いでしょう。
◆チェックは半年に1回程度の間隔で行うようにしましょう。
自分で検査しよう
どんな治療法があるの?
先にあげたとおり、甲状腺ガンにはいくつかの種類があります。
このタイプによって治療法が変わってくるので、まずは自分がどのタイプのガンなのかをはっきり調べることが大切です。
●分化ガン
未分化ガン以外の一般的な甲状腺ガン全体の総称です。これはガン組織の切除手術を行います。甲状線はのどにあるので人目につきやすい部位の手術は避けられません。特に女性は術後の傷跡の心配などもあるでしょうが、現在の形成術は発達しています。目立つほど傷跡が残るようなことはないので怖がらずにガンの治療に専念しましょう。
 術後の状態は8割の人が普通の健康人と変わらぬ生活をおくつていますが、残り2割の人は予後がよくないのが現状です。
●未分化ガン
他の甲状腺ガンに類を見ない、とても質の悪いガンです。局所療法として、放射線治療を行いますが、全身に転移している場合は投薬などの科学療法が行われます。
●血行性転移
ガン細胞が血管を通ってその他の部位に転移している状態のことを指します。この場合は手術で甲状腺を全部切除した後、放射性ヨウ素(ヨード)の投与を行います。
 甲状腺ホルモンの素となるのは海藻などに多く含まれているヨードなので、甲状腺の細胞は常時ヨードを取り入れています。健康な細胞がガン細胞に変化を遂げると、今までの機能を果たさなくなるのが普通です。しかし分化した甲状腺ガンは細胞がガン細胞化しても、まだヨードを取り入れようとする性質を微力ながら保っています。この性質を治療に利用するのです。
 最初に手術で甲状腺を切除しホルモン不足の状態にすると、体中に散らばった甲状腺ガン細胞のヨードを取り込む性質が活性化するので、そこに放射能を持ったヨードを投与します。ガン細胞はそのヨードを取り込むことで放射線を浴び、死ぬのです。
 更に、ガンの転移部が放射性ヨウ素を取り込むので、放射能のある位置を検査すると、どこに転移したかわかるようになつています。

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