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遺伝子組み換え食品ってなに?

■ 遺伝子組み換え食品とは
 遺伝子組み換え食品は、別名DNA組み換え食品とも呼ばれます。作物の新しい品種を作る技術として、従来の交配に代わって開発されたものです。生物の遺伝情報が、細胞の核の中にあるDNAの化学配置によって決定される原理を応用して、人工的にDNAの化学配置を換えることで、新しい作物を作り出す技術です。DNAは、遺伝情報の元ですので、遺伝子組み換えとも呼ばれるのです。

■ 日本で認められている遺伝子組み換え食品
 実際にどんな食品が遺伝子組み換え技術によって作られているのでしょうか。日本では、1998年6月現在、合計20品目が安全性に問題がないとして、食品として販売することが厚生省で承認されています。その大部分は直接食用とせず、加工食品の原料となるものです。これまでに日本で認められたものは、大豆、菜種、トウモロコシ、綿、ジャガ芋です。これらは、食用油の原料やでんぷんの原料、あるいは、みそ、しようゆなどの原料となるものです。これらの作物を農場で作るときに、作りやすくする性質を遺伝子組み換え技術によって作物に導入してあります。
 例えば、害虫に対する抵抗性や、除草剤に対する抵抗性が増強されています。こうすることによって、栽培のコストを大幅に低減することが可能です。これらの作物は、直接口にすることはなく、加工された油や、食品を食べることになります。
 直接口にする食品として承認されているものに、トマトがあります。これは、果肉組織が軟らかくなりにくい性質を導入したもので、日持ちする特徴があります。
 これらの遺伝子組み換え食品は外国、特にアメリカで作物として栽培され、日本に輸入されてくるものです。大豆やトウモロコシは、アメリカではすでに栽培される量の10%以上が遺伝子組み換え作物になっていますので、日本に輸入されている可能性が高いものです。

■ 遺伝子組み換え食品の表示
遺伝子組み換え食品 遺伝子組み換え技術にょって作られた作物、あるいはその作物から作られた加工食品に、その旨表示するかどうかは、世界各国によってまちまちです。アメリカや日本は表示の義務は一切ありません。安全性が確認されているし、従来の食品と成分的にも同等であるというのがその根拠です。
 これに対し、ヨーロッパ諸国では表示制度を設けるべく検討中です。ただし、その内容はさまざまです。最もゆるやかな案は、遺伝子組み換え作物のみに表示義務を課し、それを原料とした加工食品には義務を課さないとするものです。この場合も、組み換えられた作物の性質が、従来のものと全く変わらなければ、表示は必要としない案もあります。遺伝子組み換え作物を原料とした場合も、その加工食品すべてに表示義務を課さないものから、たんぱく質(例えばみそやしょうゆ)を利用する場合は表示を必要として、油を利用する場合は必要としない案もあります。さらに、遺伝子組み換え作物を肥料として育てた家畜について表示するかどうかも検討されています。
 日本でも、消費者からの要望を受けて、表示の制度をどうするか、現在、衆議院の消費者問題などに関する特別委員会や、農林水産省の食品表示問題懇談会で検討が進められています。   
国民生活センター『くらしの豆知識99』より

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