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化学物質過敏症の症状と予防

化学物質過敏症って何?

P過敏症1 私達は、知らず知らずのうちに体内に化学物質を取り込んでいます。体内では、それらの化学物質を分解したり、排泄する働きがあるので、それほど問題はありませんが、この働きにも限界があります。体内に化学物質が蓄積され、ある限度に達すると、体はそれに耐えられなくなります。ほんの微量の化学物質でも、過敏に反応するようになり、吐き気や頭痛などの症状が現れるようになるため、ひどくなると日常生活に差し支えるようにまでなります。
 化学物質過敏症になったときには、身の回りから原因となる化学物質を徹底的に除くことが必要です。また、十分な栄養を摂って体に抵抗力をつけるとともに、運動などをして新陳代謝を活発にし、少しずつ体内から化学物質を排出していくことが大切です。化学物質過敏症の治療には、身の回りの環境とともに、日常生活に配慮し、長期的な展望の元に、辛抱強く治療を続ける必要があります。

シックハウス症候群予防対策

 換気しましようP過敏症2
 夏など気温が高いときは、化学物質が揮発しやすいため、こまめに換気を心がけましょう。また、冬も湿度が高く、締め切っていることが多いので、意識して換気を心がけましょう。
 換気するときには、ただ窓を開けるだけではなく、ドアなども開けて、家の中を空気が通り抜けられるようにするとよいでしょう。
 新・改築したら、部屋の湿度を高くし、建材に含まれている化学物質を揮発させ、換気を繰り返します。数週間、できれば数ケ月間たってから入居するようにすれば安心です。
科学物質過敏症の症状と予防

◆化学物質過敏症を来す原因物質


化学物質過敏症は1989年、アメリカのエール大学のカレン(Cullen)教授によって、次のように定義付けられています。
「かなり大量の化学物質に接触した後、または微量な化学物質に再接触した場合に出てくる不愉快な症状である」 見られる症状は実にさまざまで、一般的なものとしては目の痛みや頭痛などの神経症状、息切れや動悸といった呼吸・循環器系の症状、さらには下痢や便秘など消化器症状です。特徴的なのはこれらの諸症状がいっせいに出てくるところにあります。
原因物質としてよく知られているのは、合板や壁紙、そしてそれの接着剤に含まれるホルムアルデヒドです。
このような建築資材に用いられている化学物質としては、このほかに有機リン系化学物質、有機溶媒、フタル酸化合物、有機塩素化合物などが知られています。このなかには、白蟻駆除剤やダニ用の防虫剤も含まれます。

◆シックハウス症候群とその症状


世界保健機関(WHO)は、室内空気汚染によって引き起こされる各種の身体異常について、これをシックビルディング症候群とすることを提言し、診断基準を取りまとめています。
その後、わが国ではこれらの異常を引き起こす者がビルディング内で働く人よりも、新築の家屋やマンションなどで多く見られるところからシックハウス症候群と呼ぶようになっています。
先に述べた化学物質過敏症とシックハウス症候群とは、どの点で異なる かといいますと、症状は同じですが、シックハウス症候群では室内の空気が汚染されている住宅を出ることで、それが完全に消失してしまう点です。
ここでも主原因は、建築素材に用いられるホルムアルデヒドで、現在はこのような障害を防ぐため「健康住宅研究会」は、 新築の住宅やマンションの室内におけるホルムアルデヒドの目標とすべき濃度を30分平均で0.1mg/平方メートル以下と定めています。

◆ホルムアルデヒドによる接触皮膚炎


ホルムアルデヒドは、目や喉を刺激し、濃度が高くなると呼吸困難も引き起こすなどの症状を呈します。
皮膚科領域では接触皮膚炎がよく知られています。それが顕著に見られたのは、ホルムアルデヒドがかつて衣料の柔軟防止しわ加工材として広く用いられていたときのことでした。
その後、75年からの使用規制で、衣料による接触皮膚炎は事実上なくなりました。しかし、室内に浮遊するホルムアルデヒドによる、顔面を中心にした毛包性湿疹の形をとる接触皮膚炎は、今なお散見されています。

◆予防のための生活指導


幸い、最近ではホルムアルデヒドなど、有毒な化学物資の室内空気汚染によるシックハウス症候群は、阻止されてきていますが、化学物質過微症については、個々人の感受性や体質によって、完全な防止は不可能だと見られています。
そこで大事なことは、予防のために室内空気の恒常的な正常化を図るとともに、少しでもその疑いがあるようであれば、専門医への受診をすることです。
国民生活センター『くらしの豆知識2001」より
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