高齢者が確り易い感染症
高齢者は、一般に、若年者に比べて病気にかかり易く、重症化し易いとされそいる。同様に、感染症に感染し易く、重症化する傾向にある。
約一年間、診断が可能であった779例の高齢入院者の感染症を大別すると、もっとも頻度が高いものは「呼吸器感染症」であり、48.9%であった。ついで、「尿路感染症」の33.8%、その他の17.3%であった.つまり高齢者にとってもっとも重要なものは、呼吸器感染症と考えられる。
また、個別の疾患としてもっとも多いのは、肺炎、気管支炎、上気道炎、インフルエンザ、ついで敗血症であった。このうち、肺炎および敗血症は死亡原因となることから重要な疾患である。尿路感染症も多数みられたが、重症例は少なかった。
かぜは万病のもとと云われますが、高齢者にとっては、決して「かぜ」とあなどれない調査結果が出ています。
(要旨引用 九州大学医学部 柏木征三郎教授より〉
お年寄りの肺炎
免疫力の低下するお年寄りは、「かぜ、インフルエンザ、肺炎」などにかかりやすく、「肺炎」が原因で死亡するお年寄りも少なくはありません。
しかし、お年寄りの場合、肺炎になっても、熱もあまり上がらず、激しいせきやたんも少ないなど、肺炎の症状が目立たないことが多く、発見が遅れがちです。
お年寄りの肺炎の症状は、「元気がない、食欲がない(量が減る、好物も欲しがらない)、脱水症状(皮膚がカサカサ)、意識障害(もうろう感、返事がない)」等です。周りの人は、お年寄りの状態に十分注意し、肺炎を早期に発見できるよう配慮が必要です。
佐藤薬品工業株式会社
肺炎予防接種について
平成26年10月1日から、高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました。肺炎は日本人の死因第3位です、その肺炎による死亡者の約95%は65歳の高齢者です。
肺炎は細菌やウイルスなどの感染が原因となる病気で、日常かかる肺炎で最も多い原因菌は肺炎球菌です。からだの抵抗力(免疫力)が弱まったときに感染しやすいのです。
肺炎の予防は、体の免疫力を高めること、規則正しい生活に適度な運動、禁煙、糖尿病、呼吸器や心臓など持病の治療、日常生活のうがい、手洗い、マスクの使用その上に、肺炎の予防接種を受けることです。詳しくは厚生労働省のホームページをご覧になってください。
厚生労働省・肺炎球菌感染症(高齢者)